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袴は右足からはくのか、左足からはくのか? 三越歌舞伎「傾城反魂香」を見て。

10月25日、三越劇場で公演中の沢瀉屋一門の歌舞伎を見てきました。
(~10月26日千秋楽)

演目は、「傾城反魂香」。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2007/10/post_6.html
http://www.mitsukoshi.co.jp/shop?EcLogicName=category.displaysmall&genre_cd=20&lcat_cd=2045&mcat_cd=204510&scat_cd=20451007
大変、結構だったのですが、一つだけ気になることがありました。
(感想は、また別エントリーで書きます)

それは、右近演じる浮世又平が、師から、姓を賜り、
さらに衣装、刀を頂き、着替えて、姫(銀杏の前)を救出に向かうという場面。

ここで、又平は、上下袴に着替えるのです。
で、右近は、見間違えでなければ、
右足から袴を身につけたのです。

右足、左足の順番です。

ちょっとびっくりしました。
というのは、通常の場合、
袴は、左足からつけることになっているからです。

皆さんは、ズボンをどちらの足からはきますか?

大抵は、左足からだと思います。
これは、多くの人が利き足が右足なので、
コントロールのきく、利き足で先に立って、左足をいれる方が楽で安全だから。

実際、武士の世界、また現代では、剣道、合気道など武道、
さらにお能の世界では、左足から足を袴に入れることになっています。(作法)

逆に右足から袴を身につけることは、切腹の時の作法とされているのです。
(死に袴と昔、聞いたが、今グーグルで検索するとわずか1件しか出てこない)

ちなみに足袋は履く時は左足、右足の順。脱ぐときは逆に右足、左足の順。
袴に足を入れるのは、左、右の順。脱ぐときは逆。
逆は、切腹の時。

よそのお宅に入る時も左足。
また靴を脱いであがる時も左足から。

以上は、祖母から教わったのですが、
また小さい頃、剣道をならっており、師匠からもそう言われました。
(道場に入る時、稽古で道着の袴を身につけ外す時など)

不安になって探したら、いくつか傍証が出てきました。

《邦楽の友メールマガジン    ◆2003年5月23日発行第77号◆》
http://hougaku.co.jp/mailmagazine/backno/077.html
その中の、《邦楽ここだけの話(75)》に、邦楽の友5月号に、
《稀音家義丸さんの「長唄藝語」様々な作法。「袴」の話。》が載っていて、
《袴を右足からはいてはいけない。右足からはくのは切腹するときの作法だから縁起が悪い。》
さらに《山台にあがるときも同じ。必ず左足から上がること。では追善曲を演奏するときは・・・
当然右足から、ですね。》と記されている。

なお稀音家義丸は、長唄聞書というホームページをもっておられます。
http://www.kine-ie.com/kikigaki/index.htm

またブログ《能楽管理人の日記》の2005年06月03日のエントリーは、
まさに《袴のはき方》。
《野村万蔵家では、『二人袴』の中で聟が右から袴をはく「型」があるらしい》と
管理人は書かれています。
そして、それは、初めて借着の袴をはく聟の無知の表現であると、
六世野村万蔵の著作を引用されています。

なるほど。やっぱりお能でもそうでしたか。

は!
とするとあの右近の袴を右足から身につけたのは、演出?
又平は、あの場面で、姓をたまわり帯刀、着袴を初めて許された…。

深いなー。

右足、左足については、役割の違いなど、
非常に興味深い話しを、昔、足の先生であった平沢先生から
伺ったのですが、それはまた別の機会に。

足の裏は語る(文庫)

まもなく、袴を身につける七五三。
あれも男性は「着袴の儀」という行事が元だそう。

袴は「はく」、「脱ぐ」か?
「つける」、「はずす」か?

有職文化研究所
http://yuusoku.jp/
衣紋道高倉流


 


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コメント 5

nikitoki

10月26日、歌舞伎座昼の部。最初の演目「赤い陣羽織」。百姓のおやじが、代官の衣装(袴、陣羽織)を着る場面がある。おやじは、右足からはかまに足を入れた。しかも片方に両足を突っ込むという着方。まさに初めて着て、礼儀も何も知らないという演出。(刀も目茶苦茶な差し方)
東京新聞の「赤い陣羽織」に関する記事。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2007100602054389.html
by nikitoki (2007-10-27 03:15) 

nikitoki

11月の歌舞伎座の昼の部は、「傾城反魂香」。又平は、吉右衛門が演じます。三越歌舞伎での右近との型の違い、袴のつけ方などに気をつけて見たいですね。
by nikitoki (2007-10-27 03:20) 

ruri109

こんばんは~
袴の着方、なるほど。。 他の演目でも出てきそうですね。
お茶でも左足から入ったような・・・
女性の着物のすそとも関係があったりするのかしら?
次回の記事を楽しみにしています。

10年以上前、東京にいた頃、歌舞伎座に猿之助の舞台を何度も見に行きました。懐かしいです。
by ruri109 (2007-10-27 23:38) 

nikitoki

2019年3月18日、歌舞伎座三月公演、夜の部、傾城反魂香。松本白鴎丈が「ども又」を演じています。袴は右足から身につけていました。
by nikitoki (2019-03-18 17:57) 

nikitoki

2019年3月15日、「チコちゃんに叱られる!」で「なぜ自転車に左から乗る?」との疑問が。「自転車に左側から乗るのは左足が支える足だから」との答え。左足は体を支える軸足、右足は動作をする利き足というように機能が分かれているとのこと。多くの人は、生まれたときから左右の足で機能が分かれていて、目をつぶって左右の足で片足立ちすると左足の方が長く立てるところから、左足で体を支えていることがよく分かるという。
http://www4.nhk.or.jp/chikochan/x/2019-03-15/21/19773/1490042/
by nikitoki (2019-03-18 18:27) 

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