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ベースボールを野球と名付けたのは、正岡子規なのか? [気になるニュース]

産経新聞の7月8日の
《心に響くことば(下)》で、脚本家の小山薫堂さんが、
好きな言葉を語っています。

【心に響くことば】(下)放送作家・小山薫堂さん
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090708/edc0907080752002-n1.htm

「いただきます」なのだとか。

その記事の中で、自著の「恋する日本語」をあげ、
《言葉の成り立ちを知っているか知らないかで
世界の広がりが違》うとして、
ベースボールが野球となった例をあげられています。

《例えば、米国から入ってきたベースボールが、なぜ「野球」に
なったのか。俳人であり国語学研究家の正岡子規が、自身の
幼名「升(のぼる)」にちなんで「野(の)球(ぼーる)」という
漢字を当てはめたんです。》と。

有名な話であちこちで書かれているので、
そう信じている方は多いと思います。

確かに子規は「野球」という雅号を用いていたのですが、
果たしてベースボールの訳語として使っていたのでしょうか?

実は、正岡子規以外に、ベースボールを
「野球」と名付けた(訳した)人物がいたことが
明らかになっています。

その人物とは、中馬庚(ちゅうまん かなえ)。

“野球”の名付け親―中馬庚(ちゅうまんかなえ)伝
(アマゾン)(1988年出版の本です)

鹿児島出身の一高の野球選手で、
東大時代の明治27年に
「ベースボール」を「野球」と訳しています。

大辞泉、
ちゅうま‐かのえ【中馬庚】
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&dname=0na&dtype=0&stype=1&p=%E4%B8%AD%E9%A6%AC%E5%BA%9A&index=13713920329200

《東京帝大在学中の明治27年(1894)に
「第一高等学校野球史」を著し、
「ベースボール」を「野球」と訳した。》

野球殿堂博物館
《殿堂者詳細情報 中馬庚》
http://www.baseball-museum.or.jp/baseball_hallo/detail/detail_039.html

《明治27年ベースボールを「野球」と最初に訳した人》とあります。

正岡子規も一高に進み、「野球」部に入っていて、
年齢的に言えば、中馬の3年先輩にあたります。

自らの雅号を、幼名の「升(のぼる)」にちなみ、
「野球(のぼーる)」としたのは、明治27年より
4年ほど前の明治23年(1890年)。

言葉として「野球」を使ったのは
正岡子規の方が早いのですが、ベースボールの訳語として
「野球(やきゅう)」とした訳ではないようです。

あくまでも「のぼる」にちなんだもじりとして
「野球(のぼーる)」としたみたいですね。

台東区の正岡子規の年譜。
http://www.aurora.dti.ne.jp/~ssaton/bungaku/siki.html
《◇明治17年(1884) 随筆「筆まかせ」を書き始める。9月、東京大学予備門
(後の第一高等学校)に入学。米ベースボールに出会い、左腕の投手、
捕手としてならした。のちの明治29年の新聞に野球ルールの紹介記事を書き、
「打者」「走者」「飛球」などの訳語を編み出した。「野球」は子規の幼名
「升(のぼる)」をもじって「の.ぼーる」のペンネームを使ったことから、
野球の名付け親という》

こちらでは、名付け親とありますが…。

ベースボールの訳を「野球(やきゅう)」としたのは、中馬が最初。
「野球」という漢字を「のぼーる」と読んで
雅号として使ったのは、正岡子規。
どうもそう言うのが適当なようですね。

《殿堂者詳細情報 正岡子規》
http://www.baseball-museum.or.jp/baseball_hallo/detail/detail_144.html

《23年2月、『筆まかせ』の雅号の項に「野球」が初めて見られ、
幼名「升」から(のぼーる)と読ませている。》

坂の上の雲マニアックス
「正岡子規と野球(のボール)」
http://www.sakanouenokumo.jp/shiki/baseball.html

Yahoo!百科事典《野球(やきゅう)》
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%87%8E%E7%90%83/

そもそもなぜベースボールなのか?

《一塁(ファースト・ベース)、二塁(セカンド・ベース)、
三塁(サード・ベース)、本塁(ホーム・プレート)の
四つのベースを使用するので、ベースボールbaseballとよばれている。》

誰が野球と訳したのか?

《日本では早くから「野球」と訳され》
として記されていません。

中馬が正岡子規の「野球」という言葉を見聞きして、
ベースボールを「野球」とした可能性もありますが、
上記の本などを含め、伝えられているところによれば、
中馬は、一高の野球部史を編纂するにあたり、
ベースボールが、「ball in field」であるとのイメージから、
「野球」と訳したようです。

明治27年、「一高ベースボール倶楽部史」を編纂。
翌明治28年に「一高野球部史」と改題し発行。
以後、日本国内で野球がベースボールの訳語として定着したみたいです。

ちなみにそれまでにあった訳語としては、
「塁球」「底球」などがあるよう。

明治維新と日米野球史 》(アマゾン)

《言葉の成り立ちを知っているか
知らないかで、世界の広がりが違》う
というのはまさにその通り。

詳しく知れば知るほど、
言葉の面白さが深くなりますね。


追記2018年1月16日

雅号として「野球」を使っていた正岡子規が、
ベースボールの訳語が「野球」と知っていたのか?

《明治29年に書いた随筆『松蘿玉液(しょうらぎょくえき)』
のなかで子規は、「ベースボールいまだかつて訳語あらず」
と書いているから、中馬庚が2年前の明治27年に「野球」と
訳していることを知らなかったんだね。》

《ニッポンはじめてヒストリー
第4回野球はじめて物語》
https://kids.gakken.co.jp/rekishi/first/vol004/03.html






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nikitoki

2018年6月14日、「日本人のおなまえっ!」は「」ワールドカップ開幕SP。サッカーは蹴球とかつて言われたが、野球は野球のまま定着。その2つの言葉の歴史の中で、ベースボールを野球と訳した中馬庚が紹介されました。そのせいか、このエントリーにアクセスが集まっているようです。
by nikitoki (2018-06-15 02:59) 

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