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国家戦略室という名前について。永六輔さん、野坂昭如さんが違和感。看板の字を書いた人は? [気になるニュース]

菅直人さんが担当大臣をつとめる国家戦略室。
その名前について様々な意見があるようです。

国家戦略室
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokkasenryaku/index.html

2009年10月23日、産経新聞、産経抄
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091023/plc0910230311002-n1.htm
リベラル派の文化人から、このところ厳しい批判を受けている。
鳩山内閣の目玉のひとつである「国家戦略室」が、けしからんというのだ。》

《名前が問題なのだ。「国家」は、「国家総動員法」といった
かつての暗い時代を想起させる。「戦略」なんて、軍事用語ではないか、と。》

こうした批判に対し、産経抄の筆者は、以下のように述べています。

《平和ボケもここまできたか、とあきれるほかない。とはいえ、小欄も実は、
逆の意味で名前に違和感を覚える。》

どんな違和感なのか?

《国家戦略とは、日本が国益を守りながら、国際社会に貢献するための
方策であろう。当然外交、安全保障政策が、柱となるはずだ。
ところが、鳩山首相が決めた設置規則には、
「税財政の骨格、経済運営の基 本方針その他」と、
内向きの政策しか記されていない。》

つまり、名称の中身にあった内容、方針が
盛り込まれていないという面からの批判です。
名称自体には、違和感はないようです。

一方、永六輔さんが、産経抄の言う《リベラル派の文化人》かどうかは、
わかりませんが、10月17日の毎日新聞の連載《永六輔その新世界》で
国家戦略室について批判的に取り上げていました。

文章自体は、アスリート、モラトリアムなどの横文字ついて
書き始めているのですが、日本語でも問題があるとして
持ち出しているのが、国家戦略室です。

《問題の「国家戦略室」。
 これは日本語だが、日本語だからその無神経さが気になる。
 つまり、耳から聞く言葉として選びぬかれたものとは言えない。》

さらに部署に掲げられた表札にも文句をつけておられます。

《テレビで見る表札の無神経な筆跡にも感じられる。
 何よりも文字に品格が無い。》

どなたが書かれたものなのでしょうか?

確か、国土交通省のそれは、初代国土交通大臣だった
扇千景さんが、筆をふるったはず。

平成13年度交通白書(扇さんが書かれた「看板」の写真掲載。
「表札」ではなく「看板」なんですね)

http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h13/html/D0111210.html

さらに先月発足したばかりの消費者庁。
初代担当大臣の野田聖子議員が看板を書かれています。

「消費者庁」発足 野田聖子担当相が自筆の看板かけ 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/household/296526/slideshow/218528/

とすれば、その時の担当大臣が書くのかなー?

こちらで、国家戦略室の看板が見られます。

官邸の鳩山総理の動き、《看板除幕式》、2009年9月11日。
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/actions/200909/18jomaku.html

失礼ながら、どうも菅さんの字ではないような…。

書かれたのは、
大東文化大学の書道部OBの茂住修身さんという方。

(下の記述によれば、茂住さんは内閣府大臣官房人事課辞令専門官で、
国の辞令や文書等の筆書の業務に携わっておられるようです。
永さん。書の専門家の方の手になるもののようですよ…。

ちなみに私事ですが、高校時の、国語の先生は女性で、
大東文化大学文学部書道学科出身。書道も教えて頂きました。
http://www.daito.ac.jp/gakubu/bungaku/shodo/index.html
大東文化大学は、書道研究所も持ち、
http://www2.daito.ac.jp/jp/modules/research/index.php/J06-14-00-01
書道教育では日本有数と聞いています)

大東文化大学のサイト内、トピックス。
《本学書道部OBの茂住氏が「国家戦略室」及び
「行政刷新会議事務局」の看板を揮毫》
http://www2.daito.ac.jp/jp/modules/topics/index.php/J01-01-9261-01

永六輔さんの上記連載と同じ日の毎日新聞には、
野坂昭如さんの連載が。

《野坂昭如の「七転び八起き」》
タイトルはずばり《連載65回 国家戦略局》

台風の思い出から書き起こし、転々とした借家暮し、
特に最後の借家で、台風の被害にあい、
家の屋根がふきとばされた体験とつなぎ、
その後、鳩山政権について筆が及んでいます。

鳩山政権を家にたとえています。

《外壁は新しく風通しは良さそうだが、
住んでみなければいい家か安普請かは判らない。
都合が悪ければ住まいながら手を加えることは可能。
だがその骨組みの改革となるとむずかしい。》

何が骨格か?

《政治の骨格。つまり基本は言葉である。政治家一人一人の
言葉についての認識が大事。》と記し、いよいよ本丸へ。

《民主党は首相直属の国家政略局なる名称の機関をつくった。》

《その内容はともかく、皆さんはこの名称に違和感を覚えないのだろうか。
ぼくら昭和ヒトケタは駄目。》

まずは、「国家」という言葉について。

《国家といえば戦争とつながる。国家総動員、つまり一億、心を合わせて
お国のために尽くす、それが当時の当たり前だった。》

さらに下の「戦略」については、

《また、戦略とは軍事行為とは限らないものの敵を想定し、
陰に陽に自分の意思を押しつけることを言う。ドンパチに至る
までのやりとり、といっても過言じゃない。》

《ぼくは、紙面でこの文字を目にするたび、あるいは報道で聞くたび
お上の無神経さにわが目や耳を疑いたくなる、そして胸をつかれる思い。》

《言葉には力がある。使っているうち言葉が先走り、やがて使うものを振り回す。》
として、《「国民総動員」「打ちてし止まん」「玉砕」》をあげ、
《これらの言葉はお上が生み出しこれを強制したともいえるが、世間が求め、
かつてよく判らないまま使われ、多くの人を死に追いやったのだ。》

それゆえ《政治家は特に言葉に注意深くなければならない。》と。

最後に、《この言葉の響きに心寒くなるのはぼくらの世代までか。》
と結んで、文章は終わっています。

永六輔さん、野坂昭如さんは、
この国家戦略室、国家戦略局に関し、
新聞連載の前から、ラジオ番組で、
違和感を訴えていたようです。

ブログ《信州小諸論壇》2009年9月22日。
《「国家」「戦略」室とか・・・ 》
http://blogs.yahoo.co.jp/akira_o2ka22/30351437.html

永六輔さんのTBSラジオ番組での、
「国家戦略室」への異議について
詳しく書かれています。

自分は、この国家戦略室または国家戦略局に対しては、
永六輔さん、野坂昭如さん、大橋巨泉さん
(皆さん、昭和ヒトケタ世代ですね)
のように、違和感を覚えません。

というのは、他でも使われているから。

現在、他の分野で「国家戦略」を目にし、耳にするのは、
例えば、「生物多様性国家戦略」。

英語だと、「National Strategy for the Conservation and
Sustainable Use of Biological Diversity」。

詳しい解説は、
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C0%B8%CA%AA%C2%BF%CD%CD%C0%AD%B9%F1%B2%C8%C0%EF%CE%AC

そこにもあるように日本でも「第3次生物多様性国家戦略」が策定され、
世界でも「世界生物多様性保全戦略(GBS)」が発表されています。

環境省の《生物多様性国家戦略》のパンフレット
http://www.env.go.jp/nature/biodic/eap60/index.html

なお英語の「National Strategy」という言葉に関し、
日本語の「国家戦略」に対するような違和感、
異議申し立てがあるのかは寡聞にして存じません。

この辺り、海外生活も長く、世界の事情に詳しく、
英語も堪能な大橋巨泉さんから伺いたいですね。
(もしかして放送でこの点につき、お話になりました?)

他には、「IT国家戦略」なんていう言葉もありますね。

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h16/pdf/G2090000.pdf

どうも国は、こうした「国家戦略」を使いがちですね。

永さんも、野坂さんも言葉を職業の中核としてこられた方。
批判だけではなく、その知恵、識見を生かし、
「国家戦略室(局)」にかわる名称のアイデアを
出されてはと感じます。

民主党は、お金を払ってでも、
お二人にお願いしてみてはいかがでしょう?


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nikitoki

少し前からこのエントリーにアクセスが集中。そして4月1日以降、急増。なぜかと調べたら、新元号「令和」。菅官房長官が掲げた書を書いたのは、この記事にもある茂住修身さんとのこと。それでアクセスが集まっているようです。
by nikitoki (2019-04-01 15:08) 

nikitoki

2019年4月16日、《この差って何ですか?》、2019年4月16日
《(1)新元号「令和」の「令」の字にまつわる差》。菅官房長官が掲げた令の字は明朝体でもともとは木版印刷のために開発された字体。本来は、「下の部分がカタカナのマの形」の楷書体が元々の形。山口謠司大東文化大学准教授は、「令和」を明朝体で書いたのは大学の先輩だが、楷書体で書いて欲しかったと話していました。
by nikitoki (2019-04-21 23:24) 

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