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「知床旅情」の「白夜」は「はくや」が正しいと言われて、森繁久彌さんはどう答えたか?

森繁久彌さんが亡くなりました。

様々な逸話が関係のあった方から語られています。

2009年11月20日、日本経済新聞。
永六輔さん達が40年行なってきた俳句の会、
やなぎ句会で紹介した逸話を取り上げています。^
(東京やなぎ句会は40周年。今年で活動を終わりにするようです)

それは森繁さんが作詞作曲、そして自ら歌った
「知床旅情」に関するものです。

皆さんは、もしかして加藤登紀子さんの歌の方で、
聞き覚えがあるかもしれませんね。

その歌詞に「白夜」が出てくるのです。

「はるかクナシリに白夜は明ける」と。

皆さんは、どのようにこれを読みますか。
「ビャクヤ」だと思います。

これにかみついたのが、国語学者の故・池田彌三郎先生。
「正しくはハクヤだ」と森繁さんに伝えたそう。
そうしたら、森繁さんは、即座に
「そんなら、白虎隊はハッコタイかい?」
と問い返したというのです。

世に言う「白夜論争」ですね。

池田先生の甥御さんが、もうすこし詳しく書いています。

《銀座物語 その六》
http://www.jijibaba.com/sakuhin/ginza6.html

《あるとき久保田万太郎さんの基金を作ろうと言う会があって、
東京會舘でパーティーが催された。宴たけなわで、もりしげさんが
「知床旅情」を歌った、ところが、「白夜」をビャクヤと歌ったために、
ハクヤたるべき白夜が、ビャクヤとなってしまった。
叔父がすかさずいちゃもんをつけたら、
しげさんも負けていず、「じゃー、やーちゃん(叔父の愛称)、
会津若松の白虎隊はハッコタイか」と言い返した。》

これを書かれた岡部伝蔵さんは、
昔、銀座にあった天ぷら屋「天金」の三代目、
池田金太郎さんの長女のご子息。
池田彌弥三郎さんは、この金太郎さんの次男です。

なおこの顛末は、池田先生の
「暮らしの中の日本語」にも書かれています。
(ビャクヤと読むようになった、
諸悪の根源は森繁久彌の「知床旅情」にある)

それにしても、森繁さんの当意即妙の返し。
並々ならぬ言葉に関する反射神経ですね。

辞書を引いてみると、確かに「白夜」は、「はくや」で
項目が立っています。

また季語としても「はくや」ですね。

はくや 1 【白夜】
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/154798/m0u/%E7%99%BD%E5%A4%9C/

これに対して、「白虎隊」はもちろん「びゃっこたい」

びゃっこ-たい びやく― 【白虎隊】
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/164812/m0u/%E7%99%BD%E8%99%8E%E9%9A%8A/

さてこの森繁さんの「知床旅情」の「白夜」(ビャクヤ)がもとで、
読み方が変わってしまったというのは本当なんでしょうか?

長年、出演していたNHKでは、以下のようになっています。

NHK放送文化研究所のホームページ内、
《現場の疑問 ことばQ&Q 視聴者の疑問》
《「白夜」の読み方は?》http://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/kotoba_qq_00060102.html

《昭和40年代に登場した森繁久弥さんの「知床旅情」で
「♪はるか国後(クナシリ)に 白夜[ビャクヤ]は明ける♪・・・」と歌われたことが、
[ビャクヤ]が広まる一つの引き金になったとみる人が多いようです。》

おお、やっぱり。
歌の影響というのは大きいですね。

二人の論争の発端となったのは、
久保田万太郎基金設立の会でのこと。
NHKの回答の最後に、その久保田万太郎の
一句が添えられています。
これは「はくや」と読むべきなんでしょうね。

ちなみにこれは良く知られたことですが、
日本で「白夜」が見られるところはありません。

「知床旅情」が生まれた羅臼には、
走るとそのメロティーがなる道路があります。

http://www.shibetsu.net/melodyroad/index.html

この歌がどのようにして出来たかの一端が書かれています。
飲みあかして見た、国後の明るい様子からあの歌詞が生まれたんですね。

《知床記者の見てある記 「知床旅情」は一夜にして誕生した》
http://otona.yomiuri.co.jp/trip/fromntos/081224.htm

2009年11月12日、著名人のお悔やみ
《知床旅情ありがとう...森繁さん死去に秘境も悲嘆》
http://www.touse-web.com/person/2009/11/post-93.html

ところで、この「知床旅情」。

学校で習った「早春賦」のメロディーに
似ていると言われませんでした?

さらに音楽の先生からは、モーツァルトの、
歌曲「春への憧れ」(K.596)の冒頭部分にも似ていると。

ちなみに、こちらで歌曲「春への憧れ」の一部が試聴できます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1914788

言われれば確かに。

ところで、森繁さんより前に、
「白夜」を「ビャクヤ」と使った人はいないのかなー?

画家の東山魁夷さんの「白夜の旅」は、「ビャクヤのたび」となっています。
http://junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0186259132

もともとの出版年は、1963年ですね。
「知床旅情」は、1960年に作られた曲。
1962年の紅白歌合戦で森繁さんが歌っているとか。
東山魁夷さんも影響されたのか、それとももともと、
「ビャクヤ」と読んでいたのか。

ドフトエフスキーの「白夜」。
それを映画化したルキーノ・ヴィスコンティ監督の「白夜」は?

キネ旬 映画データベース
《白夜》で検索してみたら…。
http://www.kinejun.jp/search/%E7%99%BD%E5%A4%9C

すべて読みは、「ビャクヤ」のようですね。
「知床旅情」以前にも「ビャクヤ」とした読みで使っていますね。

森繁さん以前にも「ビャクヤ」と発音していたことは確かなようですね。

森繁久彌 BEST★BEST》(アマゾン)
(この中では、タイトルは、「しれとこ旅情」となっていますね)

関連エントリー
依存は「いそん」か「いぞん」か。


朝日新聞。
《五・七・五―句宴四十年 [編]東京やなぎ句会》
http://book.asahi.com/review/TKY200908110110.html



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nikitoki

この記事へのアクセスが急増しています。2015年2月9日午後7時からテレビ朝日で放送された《池上彰が伝えたいこと 実はみんな知らない日本そして生放送で「イスラム国」問題》の番組中で、「はくや」「びゃくや」が取り上げられたようですね。
by nikitoki (2015-02-10 15:27) 

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