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カンヌ映画祭の最高の賞はなぜ「パルムドール」なのか? そもそも「パルムドール」って何? [気になるニュース]

北野監督は残念でしたね。
カンヌ映画祭で、最高賞であるパルムドールを逃しました。

カンヌ映画祭のサイト(日本語)
http://www.festival-cannes.com/jp/homepage.html

今朝、取引先で、この話題となりました。

誰かが、
「パルムドールってなんなんですかね。
オスカー賞のオスカーは、確か人の名前ですよね?」
と尋ねてきました。

皆さんは、ご存知でしょうか?

パルム・ドールは、「Palme d'Or」。
パルムは、英語でいうとパームpalmで椰子のこと。

「解説委員室」、2007年5月25日、
《視点・論点 「60回目のカンヌ映画祭」》
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/3250.html

《最高賞=グランプリ
(カンヌ映画祭はカンヌの町の紋章からとられたパルムドール黄金の椰子、
ベネチアは黄金の獅子、ベルリンは黄金の熊とそれぞれ名付けられています)、》

映画評論家の渡辺祥子さんが話されたようです。
それをブログにアップした人が間違えたのでしょう。
グランプリとパルムドールは現在、別です。

以前は、グランプリ=パルムドールだったのですが、
審査員特別賞にグランプリという言葉を使っており、
現在では、最高賞=パルムドール、
グランプリは、審査員特別賞をさす使い方が一般的なようです。

カンヌ映画祭公式サイト、《パルムの誕生》
http://www.festival-cannes.fr/jp/article/43536.html

さて、ヤシ(日本だと棕櫚シュロとされていることも、
もともとはナツメヤシを指すとされる)は、カンヌの市章。

海岸通り沿いに数多く生えています。
この椰子(ヤシ)はカンヌのシンボルとなっているのですが、
キリスト教、さらに古代エジプト、メソポタミアにさかのぼる意味のある樹木です。

ナツメヤシは、古代エジプトより聖なる樹木として大切にされ、
ユダヤ、ギリシア、ローマにもその考えはひきつがれ、
勝利(成功)の象徴と考えられていたようです。
(オリンピックの勝者への月桂樹の冠はアポロンとダフネの物語による)

キリスト教でも、同様で、エルサレムに
キリストが十字架刑前に入った際には(エルサレム入城)、
民は服やヤシを、道に敷いて迎えたとの故事が伝えられています。

今もキリスト教では、この故事にならい、
復活祭直前の日曜日は、英語でPalm Sundayと呼ばれ、
ヤシを持つという風習が残っています。

ただ実際に、キリストを迎え、道に敷いたのが、
正確にはどの植物の枝葉だったのか、
実は、不明だったり、記述がなかったりするそう。

《そよかぜカレンダー》《枝の主日》
http://www.sanpaolo.or.jp/column/kaze/back/pg376.html

また英語のpalmerには、「巡礼者」の意味がありますが、
これは、中世に聖地巡礼したの印として
ヤシの葉を持ち帰ったことにちなみます。

ジーニアス英和辞典
《(中世の)聖地巡礼者《◆記念にシュロ(palm)の枝を持ち帰った》

同じく、ジーニアス英和辞典、
palm
「[英]では willow をも palm と呼ぶ; 花言葉は「勝利」「成功」」。

すなわちパルムは、勝利、成功の印。
それを市章としたカンヌで開かれるカンヌ映画祭では、
「勝利の印」ということで、最高の作品に
「黄金の椰子(棕櫚)賞」(パルムドール)を贈るという訳ですね。


○オスカーについて。
受賞者に贈られる像を見た、アカデミー賞事務局の女性が、
「私のオスカーおじさんにそっくり」と行ったところからというのが
有力な説。

○ベネチアの黄金のライオン
 十字軍が聖マルコの聖遺物をアレクサンドリアから持ち帰った。
 マルコの福音記号はライオン。
 旧約聖書の「エゼキエル書」では、聖マルコはライオン、
 聖ルカは牛、聖ヨハネは鷲、聖マタイは天使を示すとされている。

《聖パウロ修道会創立50周年によせて》
http://www.pauline.or.jp/roots/roots05-2-sp_chiesa4_link_2.php

イタリア語
 Angelo(天使)、聖マタイ(San Matteo)
 Leone(獅子)、聖マルコ(San marco)
 Bue(牡牛)、 聖ルカ(San Luca)
 Aquila(鷲)、聖ヨハネ(San Giovanni)

頭文字を続けて読むとALBAに。

聖マルコが「ライオン(大抵は有翼)=復活の象徴」とされるのは、
聖マルコ伝では、キリストの復活を明確に語っているためとされる。

ではなぜ、ライオンが復活(キリスト)の象徴なのか?

ライオン(獅子)の仔は、生まれ落ちてから3日は仮死状態で眠っており、
3日目に親の咆哮で目覚める、つまり一種の復活をとげるとされているから。

3日目に死から復活したのは、キリスト。
(さらにライオンは、しっぽで足跡を消して出歩くとされ、
それは神性を消して人間であったキリストと同じとされる)

中世から、ライオン=キリストとも見なされるようになったよう。


キリスト教シンボル事典 (文庫クセジュ)》(アマゾン)

西洋シンボル事典―キリスト教美術の記号とイメージ》(アマゾン)

紅山さんの本は、以前にも紹介しましたが、
ヨーロッパを旅するとき、またその前に読まれることをお勧めします。

ヨーロッパものしり紀行 神話・キリスト教編 (新潮文庫)》(アマゾン)


《Why a Winged Lion?》
http://www.stmarkscatholic.org/about/why_winged_lion.asp


○ベルリンのシンボルが熊については
ベルリンはクマにあらず Berlin ist nicht Baerlin
http://blog.goethe.de/berlin-japan/index.php?/archives/16-Berlin-ist-nicht-Baerlin.html

http://www.berlingermany.co.uk/
 


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nikitoki

第71回カンヌ国際映画祭の授賞式で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールを受賞した。日本人監督が受賞するのは、1997年の今村昌平監督作「うなぎ」以来21年ぶりとなります。是枝裕和監督、おめでとうございます。
by nikitoki (2018-05-20 15:27) 

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